プロデューサー、風邪をひく

NW「えぇー!」

さくら「プロデューサーさん、風邪でお休みですかぁ……」

亜子「確かに最近急に冷え込んだからなぁ」

ちひろ「『明日までにはなんとか治します』とは言っていたんですが、かなり辛そうな声でした……」

泉「うーん、心配だし私たちでお見舞いにいこうか」

亜子「そうやなぁ、行きたいんやけど……」

さくら「わたしたち今日はレッスンだから……」

泉「ああ、そうだった。じゃあ私は先に一人で行っておくね」

亜子「せやな、アタシらも終わったらすぐ向かうわ」

ちひろ「じゃあ今から住所を教えますね」

***

ちひろ「はい、それではプロデューサーさんのこと、よろしくお願いします。」

泉「はい、ありがとうございますちひろさん」

ちひろ「本当に一人で大丈夫ですか?他のオフの方々を呼ぶこともできますけど……」

泉「大丈夫、あの人なら問題ありません」

ちひろ「……。そうですね、それではお気をつけて」

泉「はい、行ってきます!」

***

泉「さて、と……」

泉(お見舞いって何を買っていくのがいいのかな?確かPって果物好きだったよね)

泉「あっ、ナシが安い、これにしよう」

泉(あとは飲み物ね)

泉(そういえばこんな状況、この前の雑誌で見たなぁ、楓さんだっけ?)

~~~

インタビュアー「川島さんと佐藤さんのラジオでもおっしゃられていましたが、高垣さんは先日プロデューサーと事務所で卵酒を飲まれたとか」

楓「ええ。プロデューサーが事務所で高熱を出してしまって、身体を温めるものを探していたんです。そうしたら……」

インタビュアー「日本酒が目に入った、と?」

楓「さすがにお酒はサケないと……と思ったのですが、卵酒を思いついてしまったので」

~~~

泉(卵酒……は未成年だから買えないけど、甘酒ならどうなんだろう?ちょっと調べてみよう)

泉(ふむふむ)

泉「なるほど、発酵のおかげでビタミンやアミノ酸の吸収がよくなる……よし、これにしよう」

***

泉「ここがPの家ね、来るのは初めてだけど……スーッ」ピンポーン

P「……。はい……」

泉「あ、P?私、泉。お見舞いに来たよ」

P「……。……ッ!?」

バタバタ ガチャリ

泉「あっP。おはよう」

P「あ、ああ、泉、おはよ――ゲホッゲホッ!!」

泉「あー、かなり辛そうだね。入ってもいい?果物でも剥くよ」

P「ありがとう、お願い……」

泉「お邪魔しまーす」

P「散らかっててごめん……」

泉「気にしないで、それよりナイフとコップは棚の中?」

P「コクコク」

泉「分かった、じゃあPは休んでて」

P「コクリ」

泉「〜♪」

P(あぁ……)

P(寝込んでるときに誰かがいてくれるっていいもんだな)

***

泉「はい、ナシ剥けたよ。あれ、P寝ちゃってる」

P「うぅ……」

泉「うなされてる……いや、ただのうめき声か」

P「泉……」

泉「どうかした?」

P「す、きだ……グゥ」

泉「……」

泉「全く、ズルいなぁ、Pは」

泉「わ、私も好――

バァンッ!

泉「ッッ!?!?」バッ

さくら「お邪魔しまぁす!プロデューサーさんどうですかぁ?」

亜子「あっこらさくら!Pチャン風邪なんやから静かにせんと!」

泉「ふ、二人とも早かったね?」

亜子「まあな、アタシ達も心配やったしトレーナーさんに頼んでちょっと早よ終わってもらってん」

泉「そ、そうだったの……」

さくら「イズミン、顔赤くないですかぁ?」

泉「へっ!?いや、なんともないよ!?」

亜子「んんー?なんかあったん?」

泉「なにも!なかった!」

亜子「お、おう……そんなに熱込めて否定せんでもええのに」

さくら「このナシおいしいねぇ♪」

泉「あっそうだった、P起こして薬と水飲ませなきゃ」

亜子「オッケー。Pチャーン、起きてやー」ユサユサ

P「う……亜子?あれ、さくらもいる」

さくら「お邪魔してまぁす!」

泉「二人ともレッスンが終わってすぐこっちに来てくれたよ」

P「そうだったのか、ありがとうな」

泉「はいこれ、薬と水。甘酒も買ってあるんだけど、P甘酒好きだったっけ?」

P「あー、甘酒いいねぇ、好きだからすごく助かる」

泉「ふふっ、よかった。じゃ温めてくるね」

***

亜子「よし、そろそろ遅くなるし帰るか」

泉「そうだね、ついつい長居しちゃったけど」

P「今日はありがとうな、だいぶ良くなった。礼も兼ねて今度みんなで食事でも行こうか」

さくら「やったぁ♪わたし、お寿司がいいでぇす!」

亜子「おっええな!いずみはどうや?」

泉「そうだね、私も賛成」

P「よし、じゃあ寿司にしようか。それじゃ、また明日」

泉「うん、また明日。お邪魔しました」

二人「お邪魔しましたー」

***

アイドル寮にて

さくら「楽しかったねぇ、アコちゃん♪」

亜子「そやなぁ、綺麗めな部屋やったし」

泉「なんで見舞いに行った人間が楽しんでるのかはよくわからないけどね」

さくら「細かいことは気にしちゃだめだよぉ♪プロデューサーさんも元気になったしまたみんなで頑張ろー、おー!」

亜子「そうやな!明日からもやったるで!」

泉「ふふっ、じゃあ特訓プラン考えないとね」

さくら「厳しすぎるのはノーサンキューだよぉ!?」


この記事は、大石泉すき Advent Calendar 2020 3日目の記事です。

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