P「……まずは説明を聞こうか」
亜子「いや、どちらかというとアタシらが知りたいんやけど……」
さくら「なんでイズミンちっちゃくなっちゃったんでしょうねぇ?」
事務所は今日も大変なことになっていた――
P「なるほど……二人が泉の家に行ってみたら部屋でこうなっていた、と」
さくら「ドアを開けてみたらベッドでお布団にくるまって座っていたんですぅ」
P「えっ何それ俺も見たかった」
亜子「おびえてたり戸惑ってたりってことはなかったけど、記憶がそのままってわけでもないみたいやな」
――看板三人娘のひとり、大石泉が幼女になっていたのである。
P「見たところ5才くらいってところか?ちょっと簡単な質問から試してみるか」
P「泉、俺が誰だかわかるか?」
いずみ「……ぷろでゅーさー?」
P「ヴッ!!」
亜子「おぉ……」
さくら「えっ、どうしました」
P「や……あの普段クールそのものな泉から発せられた『ぷろでゅーさー?』という言葉があまりに可愛くて」
亜子「絶妙に舌足らずな感じがサイコーやったなぁ……」
さくら「イズミィン、わたしのお名前わかりますかぁ?」
いずみ「さくら」
亜子「アタシは―?」
いずみ「亜子」
P「俺は?」
いずみ「ぷろでゅーさー」
亜子「ええもん聞かせてもろたで……」パアァ……
P「今日が俺の命日か……」シュゥ……
さくら「ちょ、ちょっとぉ!二人とも白化してないでどうするか考えましょうよぉ!」
P「何をどうするんだ」
さくら「え?」
亜子「いやでもさくら、考えてみ?このままならいずみを甘やかし放題なんやで?」
さくら「それは……そうかもしれないけどこのままじゃ3人でトップにいけないでしょぉ!」
P「!」
亜子「せやった、一番大事な目標忘れとったわ」
P「そうだった、俺は一体何てことを……」
亜子「いや、Pチャンのあの反応は正直やったと思うで」
P「とりあえず行動から洗うか……。昨日なんかやったりしたかい?」
さくら「昨日はぁ、レッスンが長引いたからファミレスに行きましたぁ」
亜子「あ、あー、そういえば思い出したわ、さくら」
さくら「何かあったっけぇ?」
亜子「さくらがドリンクバーで『スペシャルブレンドだよぉ♪』って出してきたあれ……」
さくら「えぇー、わたしヘンなものいれてないよぉ!?」
P「いやわっかんない、もしかしたら……」
亜子「さくら何入れたんや?」
さくら「えーっと、コーラでしょ、カルピスでしょ、それから緑のよくわからないやつ」
亜子「思いっきし変なもん入れとるやないか!」グイー
さくら「あうう、アコひゃん口ひっぱららいれ〜」
いずみ「亜子……」クイクイ
亜子「あ、ん、どうしたんや、いずみ?」
いずみ「さくらにらんぼうしたらダメ……」
亜子「はい……」
P「んー、しかし困ったな、ずっとこのままとなるとアイドル活動に支障をきたすし……」
亜子「とりあえずアタシとさくらは今日オフやし他の人らに相談してみるわ」
P「お、助かる。まぁこんな現象がそうホイホイあるとも思えんが……」
さくら「大丈夫、きっといい方法が見つかりますよぉ♪」
P「そうだな、頼んだ」
さくら&亜子「いってきまーす」
P「さて、と……」
P「どうしたもんかね?」
いずみ「?」コテン
P「何か欲しいものとかしたいことはあるか、泉?」
いずみ「……」
P「んー」
いずみ「ぷろでゅーさー……」
P「ん?」
いずみ「ぷろでゅーさーの膝……」
P「膝……?もしかして、乗りたいのか?」
いずみ「!」コクコク
P「泉の頼みとはいえ……どうしてこうなった」
いずみ「〜♪」
P「とりあえずご機嫌になってくれたのはいいとして……問題は俺なんだよな」
P(こんな状況だからといって断じて"それ"をするわけにはいかない……!)
q
いずみ「えへへー」スリスリ
P「あっ可愛い……がっ!それどころではない……っ!」
σ
P「落ち着け、静まるんだ俺、まだ焦るときじゃ――」
いずみ「?」フワッ
b
P「あ」
ボンッ
P「ゲホッゲホッ、いったいなんだ――」
P(脚にかかる質量が、増えた……?)
P「あれ、いず、み……?」
泉「〜〜〜〜!?!?!?」
P「あ、えっとな、泉?」
泉「なんで私がPの膝の上にいるの?」ゴゴゴ
亜子「お待たせーっ!」
さくら「他の事務所の知り合いに聞いてきたんですけどぉ、ってあれ?イズミン戻ったのぉ?」
亜子「なんでPは正座させられとるんや……?」
続く!
この記事は、大石泉すき Advent Calendar 2020 4日目の記事です。