NWのテスト勉強

亜子「勉強会?」

泉「そう、今月末の試験に向けてね」

さくら「でもイズミンはわたしたちと勉強しなくてもちゃんとできるんじゃ……」

亜子「さくら、逆や。いずみはアタシらに教えようとしてくれとんねや」

泉「私も教えられるのかはわからないわよ。休み明けから私たち仕事で出られない授業が多かったからノートとか取れてないでしょ?」

亜子「そうやな、クラスメイトに見せてもらうにしても限度ってもんがあるもんなぁ」

さくら「でも、勉強会でいつも私助けられてばかりだから、今回は自分で頑張りたいなぁ」

泉「さくら……」

亜子「さくらが立派なことを言うように……!」

泉「もう、亜子は大げさなんだから……でもわかった、無理はしちゃだめだよ?」

さくら「うん、大丈夫!」

亜子「アタシはいずみに教えてもらおうかな、たぶん今回はキビしそうな感じするんよ」

さくら「よぉしそれじゃ、えい、えい、おー!」

泉&亜子「おー!」

***

***

亜子「……って言ってたのが先週のこと、あれからさくらが仕事と学校以外で部屋から出てこんくなったで」

泉「もともとこれって決めたら一生懸命になるタイプだったけど……」

亜子「さすがに心配になってきたわ」

泉「ちょっと様子見に行こうか」

亜子「そうしよそうしよ。えーと、お茶菓子かなんか持ってくか」

さくらの部屋の前

亜子「さくらー?アタシらやけど、入るで――おや?」

泉「寝てるね……」

亜子「頑張り疲れてもうたんかな?」

泉「わぁ」

亜子「ん?どうかしたか?」

泉「このノートと問題集の量……」

亜子「わ、これ全部ノートと問題集か!?本当に頑張ってたんやな……さすがやなぁさくら」

さくら「うぅ……」

亜子「おっ」

泉「あら、さくら起きた?」

さくら「ふわ……あれ、イズミンとアコちゃん?おはよぉ……」

泉「うん、おはよう」

亜子「さくら、よう頑張ったなぁ」ナデナデ

さくら「えへへ……この調子なら二人に試験で勝てちゃうかもぉ?」

亜子「おっ、勝負か?よっしゃ負けへんで!アタシにはいずみがおるからな!」

泉「ちょっと、そこまでの世話焼きはしないよ?私だってしたい勉強はあるんだし……」

亜子「待ちなはれ大石サン、さらに協力してくれたらおいしい話があるんやけど――」

泉「また掃除当番代わってくれるとかそういうことでしょ?」

亜子「に……」

泉「……」

亜子「ざ、残念ー!日直でしたー!」

泉「ほぼ一緒じゃない……」

亜子「はぁダメかー。ほなしゃーないな、自力で頑張るわ」

さくら「二人は順調ぉ?」

泉「うん、このまま予定通りに進めば前日はのんびり復習して十分睡眠がとれそう」

亜子「今回はヤマ張らずに受けるからな!」

さくら「みんなうまくいってるんだ!来週のテストが楽しみになってきたねぇ♪」

泉「ふふっ、そうだね。このまま走り切っちゃおう」

***

試験前日、午後2時。

亜子「いよいよ明日からか……3年目にもなって緊張してきたわ」

泉「今回は特に何か賭けたわけじゃないけど燃えてるよね、やっぱりさくらのせいかな?」

亜子「そりゃな……あんな努力の量見せられたらアタシも頑張らんわけにはいかんやろ!」

泉「亜子のそういうところ、好きだよ」

亜子「またまた、大石サンはお上手ですなー♪」

泉「ふふっ、でも――」

ドタドタッ

さくら「二人とも、助けてぇ!」

泉「!?」

亜子「ん!?どうした、何があった!?」

さくら「……問題が……

泉「えっ?」

さくら「解いてた問題が範囲外だったのぉ!」

亜子「範囲外って……あの問題全部がかいな!?」

さくら「難しい問題でも頑張って諦めずに頑張ったのにぃ……今見たら範囲がそこより前だったよぉ」

亜子「あー、授業受けてなかったから気づけなかったんか……」

さくら「イズミン、アコちゃん、どうしよう!?」

泉「落ち着いて、さくら、まずは落ち着こう。明日は数学と社会だけど、危ないのはどれ?」

さくら「数学ぅ……」

亜子「なら大丈夫や、数学ならいずみにお任せやで!」

泉「さくらはよく頑張ったよ。ちょっと間違えちゃっただけで」

さくら「ふえぇぇん、イズミィン……」

泉「よしよし、とりあえず大体の計画は立てたわ、あとはもう少しだけさくらが頑張れば大丈夫」

さくら「うん……」グシグシ

さくら「よぉし!村松さくら、もうちょっと頑張りますよぉ!」

亜子「よし、アタシも付き合うで!こうなったら三人で夜を徹してでも――」

泉「さすがにそんなことにはならないよ、遅くても日付が替わるくらいには寝られると思う」

亜子「よっしゃ、気合入れていくで!」

***

さくら「やったぁー!全科目とも70点越えたよぉ♪」

亜子「うあー、てことは理科で負けたか、くやしー!」

泉「やったわね、さくら。おめでとう」

さくら「えへへ、二人が前日に教えてくれたおかげでぇす」

亜子「いずみはどんなもんやった?」

泉「……数学と英語が100点だった」

さくら「すごぉい、さすがイズミンだねぇ♪」

亜子「やっぱりいずみは賢いなぁ」

さくら「イズミンのお祝いしに行こうよぉ、わたし駅前のカフェがいいなぁ」

亜子「おっええな!」

さくら「でしょ?フンス!」

亜子「けどさくら、大事なこと忘れてるで」

さくら「大事なことぉ?」

泉「さくらのお祝いもだよね」

亜子「その通り!」

さくら「えへへぇ、なんだか照れるねぇ」

泉「さくらの頑張りは私たちがちゃんと知ってるからね」

亜子「よし、今日は大サービスや!サイドメニュー一品おごったろうやないか!」

さくら「おおっ、アコちゃん太っ腹―!じゃあわたし、カラフルパフェスペシャルぅ♪」

亜子「って、一番高いやつやないか―い!」

三人「あははは!」


この記事は、大石泉すき Advent Calendar 2020 6日目の記事です。

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